PROJECT

西鉄柳川駅自由通路

建物概要

用途
自由通路
構造
鉄骨造2階建て
規模
延床 813m²
業務
自由通路の設計および工事監理
改築駅舎部のデザイン監修
駅周辺整備
デザイン委員
南雲勝志(駅広バスシェルター、照明、ID)
小野寺康(駅広全体)
五十嵐淳(交通)
渡邉篤志(自由通路、駅舎改築デザイン)
プロジェクト
マネージャー
辻喜彦
構造設計
梅沢良三構造設計研究所
土木実施設計
西鉄CEコンサルタント
電気設計
L プランズ
施工
安藤・間、清水建設

CONCEPT

福岡県柳川市にある西鉄柳川駅。既存の駅舎を改築し、新たに自由通路を設置して東西の駅前空間を整備する事業。姫路駅前整備と同じく、建築、土木、インダストリアル、交通の専門家によるデザインチームに参画し、建築デザイン委員として自由通路の設計と駅舎改築のデザイン監修を担当した。
水郷としての観光地でありながら、増改築を重ねた駅舎と無秩序な車道で占拠されていた駅前空間が印象的であった既存の西鉄柳川駅。駅が観光と商業の中心地から外れたところに位置していること、線路によって東西の街が分断されていることから、「街をつなぐ」こと、「市民の居場所をつくる」ことがテーマとなった。駅舎と自由通路は単なる交通施設ではなく、情報発信ができる場を作り、積極的に市民活用を促す施設として計画している。
駅を降り、改札を抜けるところから駅前広場を見渡せる開放的なレイアウトにし、観光の玄関口となる西口デッキ2階には視点場を設けている。階段屋根は緩やかな曲線をもつ5段の屋根で構成し、軽やかな印象と、駅前広場を望める視線の抜けを意識してデザインしている。ブリッジ部には市民ギャラリーとして活用可能な展示スペースを設け、地域交流、情報発信を促す場を設けている。
素材は構造体である鉄にリン酸亜鉛処理を施し、柳川市を流れる矢部川上流の八女産杉を天井に使用している。
「柳川らしさ」とは何か?地域性を探るための市民ワークショップが重ねられ、計画段階からオープンな意見交換を行って設計がすすめられた。
2015年度のグッドデザイン賞受賞。